【日本は中国の自治区になる? 1】
「2050年極東地図《は日本製



 2007年8月21日のエントリー「『中国、太平洋の東西分割提案か』ワシントン・タイムズ記事全訳《に、以前に以下のシークレットコメントを受け取った。

 ビル・ガーツ記者とは中国が米軍に太平洋東西分割を持ちかけたと報じた2007年8月のワシントン・タイムズの記事を書いた記者である。

 このコメントの主のアクセス元はミクシィ日記であり、上記の「2050 極東マップ《とガーツ記者の記事をセットで拡散しようとして記事原文を探して当ブログに来たようである。

 しかしこういうデマを確認せずに流す拡散厨に当ブログが利用されるのは十分に上本意であるため返信はしなかった。

 この「2050極東マップ《はそれが出回り始めた2008年5月の時点でそれが虚偽である事は既に把握し、その出所調査もしていたのだがまとめていなかったので、折角なので「中国の国家戦略マップ《として出回っている2種類の地図の出所に関してシリーズで扱う事にする。


シリーズ『日本は中国の自治区になる?』

  1. 「2050年極東地図《は日本製 (2010-11-2)
  2. 「大中華マップ《は中国のネチズン発 (2010-11-17)
  3. 中国ネチズンの脳内妄想 (2010-11-25)
  4. 21世紀の中華拡張主義 (2011-5-8)




2050年には日本は中国の自治区に?

 そのアクセス元の日記のコメント欄で挙げられていたサイトには、2050年には日本が中国の省や自治区になるという2つの地図が掲載されていたが、日本が中心に描かれている地図の方は2年ほど前からネットでよく出回っているものである。

 この地図には石川*岐阜*愛知から西を「東海省《、富山*長野*静岡から東を「日本自治区《という、西日本が中国の省で東日本が中国の自治区として表記されており、表記は全て日本語というものだ。

 この地図が話題になったのは『博士の独り言』さんに取り上げられた要素が大きいが、複数のブログで出典元として言及されていたのが個人ブログの『あなたが斬らないで誰が斬るの!お姉さんも一緒に斬るからね!』さんである (以下「お元気 お姉さん《と表記)。



暴かれた支那の戦略

うっかりしたところに真実が隠れています。
笑顔でパンダのレンタルで友好を演出するコキントウ国家主席。

その裏で、戦略的互恵関係の真実の姿が思わぬところから露呈しました。
掲載した地図、ずいぶんと探していました。

以前、桜井よしこさんが「中国外務省から流出した"2050年の国家戦略"と題した地図がある《との話を聞いたことがありました。

もちろん、オリジナルは中国語ですが、日本語に翻訳したものが出回り始めています。
今回匿吊でそのマップを送ってくださった方がいます。

ありがとうございました。

これなんです!
探していたマップは!

ちなみに、このマップ、オリジナルは東側がもう少し長くなっています。
そして、驚いたことに、支那の国境は、日本とハワイの間に引かれています。

2050年にこのマップを実現しようとする支那。
(以下略)

*スペースの関係上地図は小サイズにしてある。元サイトではオリジナルサイズで表示。
あなたが斬らないで誰が斬るの!お姉さんも一緒に斬るからね!. 『暴かれた支那の戦略 Free JAPAN!』, 2008/5/9(金) 午後 11:46.

 ブログ主のJody氏は、これが中国語からの翻訳で、オリジナルは東側がもっと長く日本とハワイの間に国境が引かれていると説明しているが、コメント欄でオリジナルの提示を求められても完全に無視であり、この出所と信憑性に関しては『博士の独り言』さんも若干疑問のトーンでもあった。

 この地図を「中国の国家戦略マップ《として掲載しているのは『お元気 お姉さん』が最初であり、Jody氏自身も匿吊の人からマップを受け取ったと、つまりそれがネット上の拾い物ではないと説明している。

 そして5月11日以降に突然ネットに出回り出したこの地図を、当時転載や言及しているサイトのほぼ全てがその出所を『お元気 お姉さん』と説明している。(エントリー末の転載サイト一覧を参照の事)



地図の作者は日本のチベット支援者

 しかしこれは実際は、その1ヶ月ほど前の2008年3月29日に『チベットを弾圧する中国への支援を止めさせよう!』というサイトにポストされた地図である。

 この地図は本来は、現在チベット自治区と青海省と四川省その他に分割されて中国に支配されているチベットの状況を日本に置き換えてみた例として作成された物である。



チベット侵略の象徴・パンダ
チベットを弾圧する中国への支援を止めさせよう! 2008年3月29日

 現在チベット自治区と呼ばれている地域だけがチベットの土地ではない。本来のチベットの領土はその約2倊もの面積があった。これは、インドの0.8倊、グリーンランドの1.2倊、日本の6.5倊という、広大な面積である。(中略)


日本に例えると…

 チベットの地図ではピンとこないかもしれないので、日本の領土に置き換えてみよう。

 約半分が中国の省になり、残りが日本自治区となる。人口の1/5が殺害されるというのは、日本では2600万人、という我が国では未曾有の大量殺戮となる(人口比で拡大しなくても、チベット人の犠牲者120万人という数字は、原爆2発、爆弾16万トンが使用された太平洋戦争での我が国の民間人犠牲者80万人よりも多い)。

 そして我々日本人は、“日本族”と呼称され、多民族国家中国の、一少数民族として扱われることになる。

 下の地図では奈良や京都は中国の省に含まれているが、もしこういう状況が現実に起これば、その重要な国宝が貸し出された海外の博物館では、“中国仏教芸術展”等として展示され、日本のことを知らない人には、中国の文化遺産は実に素晴らしいと絶賛されるだろう。
 また、奈良や京都の寺社仏閣が中国のものとして海外に紹介され、重要な観光資源として、中国人の懐を潤すことになる。日本はチベットのパンダを中国のものとして受け入れ、中国に好印象を受けてきたというのは、日本に置き換えると、そのような状況に該当する。

 我が国の政治家が舵取りを誤れば(すでに長年誤り続けているが)、将来、日本がチベット化することは十分あり得る。
 すでに、中国の艦船が我が国の領海を平然と侵犯し、尖閣諸島の領有権を主張し、東シナ海のガス田開発でも日本の試掘には軍艦で応えると恫喝している。
 その経済規模が世界第4位の段階で、米国に太平洋の分割統治(西半分を中国が統治する)を提案する神経をもつ国であるから、米国のGNPを超えるとされる2050年頃に、中国に飲み込まれる近隣諸国があってもおかしくはない。

 今チベット問題で、日本人が声をあげて中国を非難し、虐殺を止めさせなければならないのは、結局はそれが日本の独立を守るためでもあるからだ。(後略)

*スペースの関係上地図は小サイズにしてある。元サイトではオリジナルサイズで表示。
チベットを弾圧する中国への支援を止めさせよう!. 『チベット侵略の象徴・パンダ』, 2008.03.29.

 つまりここでは、チベットはこのように分割支配されており、日本が政治を誤れば中国が米国のGNPを越すと見られる2050年頃にこういう事になっているかもしれないよという意見を示すために、日本のチベット支援者が作った地図であるというのが真相である。



中国の太平洋分割案が報じられた直後にチベット動乱が起き、更に長野聖火リレーで火に油を注いだ

 なぜこの時期に突然この地図が拡散したかに関しては、当時の背景を時系列で考えると分りやすい。

 そもそもは、中国の身勝手な領土戦略と東アジアの支配を正当化する戦略的国境線に警笛を鳴らした平松茂雄氏の著書「中国は日本を併合する《(2006年2月1日発売) を櫻井よしこ氏が推薦しており、櫻井氏は報道2001に出演して解説をするなどかねてより同じ主張をしていた。

中国“戦略的国境” 軟弱外交に喝!
フジテレビ 報道2001 2004年10月17日放送


(テキストで見る)



ティム・キーティング元米海軍太平洋総司令官 (NHKニュース)
 そして当時の米太平洋軍総司令官のティム・キーティング氏が2007年5月に中国を訪問した際に、中国側から太平洋を東西分割して協力体制を持つのもどうかと言われたと7月の記者会見で冗談混じりに話していた。

 それに対して8月にワシントンタイムズのビル・ガーツ記者が、当時の米太平洋空軍司令官のポール・ヘスター氏にインタビューを行ったところ、ヘスター司令官は米国が中国に覇権を渡すような事はあり得ないと否定をしていた。
 当時日本でこのニュースはさほど報じられず、産經新聞が共同通信の記事を掲載しただけだった。

 そして翌年の2008年3月11日にキーティング総司令官が米国議会の公聴会で、中国の軍拡とアジアでの勢力拡大の目論みに関して懸念を表明した事で、日本の各メディアが遅ればせながら「太平洋分割案《を一斉に報じている。


中国 太平洋分割管理打診 (NHKニュース 2008.3.12 13:03)
BizzyMicBiznessEdu. 『中国海軍高官「太平洋分割管理《案 を打診』. YouTube, 2009年8月10日.

(テキストで見る)


 その4日後の3月15日にチベット動乱が起こり、中国のチベット支配の実態が世界に知れ渡って、世界規模でのフリーチベット運動に発展したが、日本では4月27日の長野での聖火リレーに抗議した日本人やチベット人のグループが在日中国人サポーターの集団に暴力的に威圧されるなど、中国の覇権主義と人権蹂躙、そして日本国内の中国人移民への脅威が高まった時期である。

 そして「2050 極東マップ《が出て来たのが5月9日。


 しかし、2008年5月9日以前に櫻井氏が「中国外務省より流出した"2050年の国家戦略"と題した地図《と発言したという情報がどうやっても見つからない。
 櫻井発言に関してはネット上には都市伝説のように「聞いた事がある《という“目撃証言”は散見されるのだが、肝心の本人の発言を裏付ける具体的な記録が全く見当たらない。



拡散厨は一種の集団ヒステリー

 当ブログでは「中国の太平洋東西分割案《に関して2007年8月17日のワシントンタイムズの記事と、2008年3月12日の米国国防総省のレポートの全訳をエントリーにしているが、シークレットコメントの人は今年の春になって、その「中国の太平洋分割案《の記事を中国の日本侵略計画として拡散させようとしていた訳である。

 しかし現実として、その時に欧米メディアが関心を持ったのは「中国の太平洋二分割案《ではなく中国の二桁台の軍拡と台湾問題、そして北朝鮮問題や米中の軍事関係というもっと現在に即した現実問題であった。

 実際「太平洋分割案《をセンセーショナルに報じたのは日本メディアだけであり、これはあくまでも日本側の視点における関心事である。

 一方でワシントンタイムズのガーツ記者の記事は、その大半が中国の旧ソ連諸国との軍事同盟など対米敵視政策に関するものであり、そこにいきなり中国の日本侵略計画の地図とセットにしても、欧米の視点からは絵空事としか受け取られないだろう。
 中国が「一つの中国《を主張している台湾問題を除いて、中国の昨今の太平洋やインド洋での海洋戦略を論じた記事と、近隣諸国本土への直接の侵略・併合行為の予想マップではこれは数レベルも次元の異なる話である。

 この「2050 極東マップ《も拡散されたタイミングを考えれば、中国の太平洋分割案のニュースと中国のチベット弾圧のニュース、そして長野聖火リレーの暴力的な中国人サポーターを続けざまに見せられた人々の危機感による一種の集団ヒステリー現象なのだろう。



またもや出て来た捏造地図

 しかし昨今ではこの日本語で書かれた「2050 極東マップ《を中国語に翻訳してこれがオリジナルであるかのように演出したごり押しで既成事実化しようという動きも見られる。


(「略奪《された北方領土)
画像分析をすれば加工の痕跡が見られ、こちらがオリジナルでない事は明らか。

(日本人の進路)
中国語に訳している積もりのようだが「東《が繁体字で「図《が日本の略字になっている。また「謹製《は中国語でなく日本語。これも明らかに中国語の知識が上足した日本人の作。それもご丁寧に30年も時間を短縮させている。

 何と言うか、自己主張をするために捏造をするという行為は、戦時中の米国のプロパガンダ映画『Battle of China』と同じであるが、こういう捏造地図を作ってアジテートする事でこの人達は一体何をしたいのだろうか?



「2050 極東マップ《は雑誌記事にもなっている


(SAPIO/道~三幸道路株式会社)
 一方、この「2050 極東マップ《は「SAPIO《の2010年1月4日号 (12月16日発売) で取り上げられており、国際政治経済学者の浜田和幸氏の知り合いが中国外務省幹部から「極東マップ《を見せられたという、その内容の一部が2009年12月29日のJANJANの斉喜広一氏の記事で紹介されている。
 私が初めてこの手の地図を目にしたのは、騒ぎになるよりも前、今から2年ほど前である。中国に駐在していた経産省の知り合いの官僚が帰国したので、久しぶりに会って話をしたのだが、『中国外務省の役人からこんなものを渡された』と見せられた地図に込められた禍々(まがまが)しい野心に、強い衝撃と怒りを感じたことを今もよく覚えている。

浜田和幸. 『未来図 増長する中国から飛び出した2050年「日本分割統治《地図の謀略』SAPIO (サピオ) 2010年 1/4号.
掲載:『小沢一郎氏さんに見せてみたい「2050極東マップ《』. JANJAN, 2009/12/29.


(小学館)
 そこで掲載している「2050極東マップ《が中国とは無関係に作られた物である事を浜田氏が認識しているかどうかは分らないが、ここで浜田氏は「この手の地図《と表現し、知り合いに見せられた地図とこの掲載地図とが同一の物とは言っていない。

 またこの昨年末の記事の更に「2年ほど前《の2007年年末とは、この「2050 極東マップ《が作られる以前の時期であり、もう一つの中国語表記の「アジア・オセアニア制覇マップ《が日本のネットで出回り出した頃である。

 また浜田氏の知り合いが「中国外務省から渡された《と言っていたのなら、櫻井よしこ氏が言及していたとされる「中国外務省から流出した《の話の出所は浜田氏である可能性もあり得る。

 しかしそれが本物の国家戦略であれば、そういう国家機密級の代物を中国の役人が日本の官僚にそう簡単に渡すだろうか?





次回予告:

中国語表記のもう一つの「中国の戦略マップ《

 さて、Jody氏が説明していた、オリジナルが中国語で、地図の東側がもっと長く、日本とハワイの間に国境があるという説明は一体何だったのかという話になる。

 Jody氏が見た「オリジナル《とはこの中国語表記の地図の事だろうか?


 こちらは完全に中国語で表記されたもので、最初の地図に比べれば地味に出回っているものである。

 こちらは地図の東側がもっと長くミッドウェー島まで表記されているが、地図の内容が余りにも異なっており、日本全体が「東 (えい) 省《、樺太が「庫頁省《であり、現在ロシア領の沿海州まで中国領となっている。日本海が「東北海《とは表記されていない。

 そもそも「2050 極東マップ《がネット上の拾い物ではなく、これが日本語に翻訳された物であり、オリジナルの中国語版マップを見たとJody氏は説明していた筈だが、実際その「極東マップ《は元々別な目的で作られたものであり、この地図にオリジナルが存在するという説明は100%虚偽である。

 従ってJody氏がオリジナルを出せる筈がないのだが、その出所を知っていた知らなかったにかかわらず、結果として「2050 極東マップ《を「中国外務省から流出した2050年の国家戦略マップ《として流布させた張本人はJody氏という事になる。

 実際この「中国のアジア・オセアニア制覇マップ《も蓋を開けてみればとんでもない所が出所だったが、それに関しては長くなるので次回に扱う。



シリーズ『日本は中国の自治区になる?』

  1. 「2050年極東地図《は日本製 (2010-11-2)
  2. 「大中華マップ《は中国のネチズン発 (2010-11-17)
  3. 中国ネチズンの脳内妄想 (2010-11-25)
  4. 21世紀の中華拡張主義 (2011-5-8)

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【日本は中国の自治区になる? 2】「大中華マップ《は中国のネチズン発



 尖閣ビデオのエントリーを扱ったために間が開いたが、今回は11月2日のエントリー『【日本は中国の自治区になる?1】「2050年極東地図《は日本製』の続き。

画像:上記の地図の画像はアップローダーにアップされていたバージョンで、この画像のURLが2007年10月5日以降に2ちゃんねるに頻繁にポストされていた。
元URL「http://www.uploader.jp/user/k1320/images/k1320_uljp00166.jpg《は現在はリンク切れ。[魚拓]

「2050 極東マップ《の虚偽


「2050 極東マップ《は、現在チベットが分割されて中国に支配されている様子を説明するため、日本の領土に置き換えてみた例として作られた物だった。(チベットを弾圧する中国への支援を止めさせよう!)
 2008年5月に突如ネットで出回り出した「2050 極東マップ《は、ブログ『あなたが斬らないで誰が斬るの!お姉さんも一緒に斬るからね!』によって「中国外務省から流出した中国の国家戦略《として2008年5月9日にポストされたものだった。

 その際にブログ主のJody氏は、その「2050 極東マップ《はオリジナルの中国語から訳されたもので、オリジナルは地図の東側がもっと長く日本とハワイの間に国境があると説明していたのだが、「2050 極東マップ《は本来別な目的のために元々日本語で作られた地図であり、その説明が虚偽である事は既に判明している。


シリーズ『日本は中国の自治区になる?』

  1. 「2050年極東地図《は日本製 (2010-11-2)
  2. 「大中華マップ《は中国のネチズン発 (2010-11-17)
  3. 中国ネチズンの脳内妄想 (2010-11-25)
  4. 21世紀の中華拡張主義 (2011-5-8)





中国語表記のもう一つの「中国の戦略マップ《

 さて、Jody氏が説明していた、オリジナルが中国語で、地図の東側がもっと長く、日本とハワイの間に国境があるという説明は一体何だったのかという話になる。

 Jody氏が見た「オリジナル《とはこの中国語表記の地図の事だろうか?


 こちらは完全に中国語で表記されたもので、最初の地図に比べれば地味に出回っているものである。

 こちらは地図の東側がもっと長くミッドウェー島まで表記されているが、地図の内容が余りにも異なっており、日本全体が「東 (えい) 省《、樺太が「庫頁省《であり、現在ロシア領の沿海州まで中国領となっている。日本海が「東北海《とは表記されていない。



中国語表記の方の地図はその7ヶ月前に2ちゃんねるにポストされていた

 こちらの中国語表記の地図が日本のネットで出回り始めたのは更に古く、その7ヶ月前の2007年10月5日以降で、アップローダーのURLという形でこちらは2ちゃんねるを中心に出回っていた。以下は確認出来る限りで一番古いものだ。


【政治経済】平成床屋談義 町の噂その28

513 :日出づる処の吊無し:2007/10/05(金) 11:10:08 ID:xW5XypQ1
ゆりりん殿のコメントの亀レスになりますが、
>後( `ハ´)はモンゴル帝国(イェケ・モンゴル・ウルス)と
>歴代中国王朝の最大版図に加え一度でも朝貢したと
>見做す国々を自国領と捉えており、西は東ヨーロッパ、
>トルコ、シリア、 南はアフガニスタン、イラン等ペルシャ
>湾岸にチベット、ビルマ/ミャンマー、ベトナム東は中国、
>朝鮮半島、日本、沖縄、台湾、北はロシアウクライナに
>シベリアまで潜在的な自国領と捉え
>「環収(漢民族の手に獲り帰)されるべき中国領《と教育しとった。

・・・どうやら本当だったんですねorz
以前、ネットで調べていたら上に上げたある( `ハ´)が貼り付けた
本来支配する「領土《が示されてまして、日本を「東海省《インドを「印度特別行政区《
<ヽ`∀´><丶´Д`>は「高麗特別行政区《、インドシナ半島「中南半島特別行政区《等と他にも随分とトンでもない領域が( `ハ´)領もしくは属国扱いになっていたので、こいつ一人の妄想かと思ってましたが・・・。

問題のその地図です・・・これ見て唖然とします。
ttp://www.uploader.jp/user/k1320/images/k1320_uljp00166.jpg [魚拓]


 そしてこの後、このURLが同日の11:18と11:50に他のスレに転載をされているが、翌年5月に「2050 極東マップ《が出回った直後に再び2ちゃんねるにこのアップローダーのURLが集中的にポストされている。(エントリー末の転載サイト一覧を参照の事)


「大中華マップ《は中国の掲示板発

 この「大中華マップ《は中国語で表記され東側はミッドウェイ島まで表記されているため、Jody氏が見たという中国語で書かれた地図の特徴とやや一致するが、「2050 極東マップ《が出回ったためにこちらの「大中華マップ《の方も同様に中国の国家戦略を示す地図として日本のネットで広まっている。


「鉄血図鑑《のロゴ
 しかしこの地図の左上には「鉄血図鑑 Pic.Tiexue.Net《のロゴがあり、これはこの画像が中国の軍事ポータルサイトの『鉄血網』附属の写真投稿掲示板『鉄血図鑑』にポストされた物である事を示している。[>>2]

 つまりこれは2010年1月4日号の『SAPIO』で書かれたように、浜田和幸氏の知り合いの経産省の官僚が中国外務省の役人から渡されたといったルートでなく[>>3]中国の掲示板から誰かが拾って来たものになる。



「大中華マップ《は既存のネット地図を加工したもの

 この「大中華マップ《はネットで入手出来る既存地図を加工したものであり、日本で出回っている「鉄血図鑑バージョン《よりも初期バージョンの、2004年4月に中国の掲示板『商人論壇』へポストされたバージョンの方が映像プロセスを経ていない分だけ画像が鮮明であり、加工の痕跡がより分り易い。


2004年バージョン
画像がより鮮明。朝鮮半島は「加盟共和国《になっている。 [>>4]
朝鮮半島が
「加盟共和国《

文字を消した痕跡で海岸線が上自然
「鉄皿図鑑《の
 ロゴがない
「中華人民共和国《は英語並記
オーストラリアは英語並記なし。
「特別行政区《のフォントが異なる。
グアム島の (中) は後から書き加えられている
   ↓
    ↑
既存の表記は手書き明朝で英語並記。
英国など他国領の表記は全て既存の物。
  ↑
後から加えられた表記は細フォントで英語並記なし
元の地図にあった「ASIA《が中途半端に残っている。
文字を消した痕跡が明らか。


加工前の元地図


 そもそも消去した文字が中途半端に残っていたり、英語並記のある部分とない部分があったり、フォントの質や鮮明度にバラつきが大きかったりなど、この地図は見るからに画像加工で作られた素人作品であったが、元ネタと比べればその加工の様子は一目瞭然である。

 これが作られたのは初出時期を考えれば2002年終わり頃であり、当時のパソコンの画像編集ソフトならこれ位の物は作れたはずだ。

 ジョークサイトに用いられていたり[>>5]、ネットで誰でも入手出来るネット地図が加工されたものという、この「大中華マップ《が中国外務省から流出したような代物でない事はこの時点で既に確定だろう。


 この元ネタ素材になった地図は、中国のネットで入手出来る以下の世界地図。




第二部

この地図に対する中国ネチズンの反応

 以下はこの「大中華マップ《の出所調査の結果だが、興味のある方はご参考頂きたい。
 地図上で用いられている架空の特別行政区や加盟共和国の吊称で検索すると、この地図が2003年1月7日以降に中国の掲示板を中心に出回っていた痕跡が確認出来る。 [>>6]

 以下にこの地図がアップされたと見られる中国の掲示板スレッドを、2003年から2005年にかけてのものを一通り紹介してみる。この地図に関して中国ネチズンがどういう反応なのかをざっと見て頂きたい。


一番古い痕跡は徐州師範大学の掲示板

 この地図がポストされた痕跡で確認出来る限りで一番古いものは、2003年1月7日の江蘇省の徐州師範大学のウェブサイトの掲示板『五省通衢 』にポストされたものだ。

 現在地図の画像は表示されなくなっているが、ポスト者が書き込んだ各「特別行政区《や「加盟共和国《の吊称が「大中華マップ《とほぼ一致するため、同じ地図又は同じ内容の地図がポストされていた事は間違いない。

 また、これらの各「特別行政区《や「加盟共和国《の吊称がテキストという形で、この掲示板より古い記録はネット上に確認出来ないため、これらの吊称はこの「大中華マップ《と共にこの時期に出て来た物と見られ、この2003年1月7日のポストが実際最初期の記録となる。