はじめに
「古文書」について、どんなイメージを持っているかと尋ねたことがある。ある人は「裸電球の下で一人ぽつねんと読み耽っている暗いイメージだ」と言う。古文書の古が良くない。では、故文書に替えたらどうかと言ったら、それでも同じだろと言われた。ならば、漢字クイズみたいに、お笑い芸人に取り上げて貰ったら、少しは人気も出ように。ムリだねと笑う。
併し、古文書を読みたいと、毎年とっかゝる人は多い。だが一二年で大概の人は止めてしまう。五年以上も続く人は稀である。そんな少数の人のみでなく、より多くの人に古文書の楽しみ方で、こんな仕方も有ることを知って貰いたいと思
う。古文書は、その土地、その時代のなま生の息遣いを伝えてくれる。これが血の通った真の歴史だと実感させてくれる。このことを本書が少しでも伝えることが出
来たら幸いである。
江戸人の傳言
目 次
プロローグ
お百姓さんからの伝言
古文書「御旧記(ごきゅうき)」
なんいとう
不思議のお月様
大虫送り
実盛人形送り
ばれん
たうゆさん
虫送りされる虫たち
虫送り年中行事の一例
宮島の祇園祭
まえがき
宮嶋まつり
御共舟
じのごぜ
ぎおんまつり
地御前神社の祭
馬とうばず
問題の転移
御陵衣祭
地御前に祇園祭り
厳島神社と流鏑馬
馬とばし
あとがき
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