01.ヘビメタの担ぐギターと破魔矢かな
02.子の利き手左と知りて風光る
03.長き夜のジャーの隣に立つ杓文字
04.パティシエに告げる吾子の名冬うらら
05.顔面骨折カニューレの接ぐ春の朝
06.痙攣の吾子の吐物に林檎の香
07.自画像に手鏡も描く春隣
08.銭湯の脱衣所小銭無き春よ
09.サザエさんに後出しあいこ吾子の春
10.とぅるとぅるの求肥に透けている苺
11.ゆるキャラの汗の匂いとファンの音
12.手花火の火に手花火と手花火を
13.手袋のまま割る箸の乾いた音
14.春の駅白杖の傷夥し
15.帰省して貼られたままの犬シール
16.夏いよよサンドバッグは歪みけり
17.病室の七夕竹に一礼す
18.豚饅の油染むべい独楽の紐
19.秋立つや十七画の名を吾子に
20.カラオケの二番の途中コート脱ぐ
21.バス見えてバス停の毛布を畳む
22.おでん屋の一皿は先ず神棚へ
23 サンタへの手紙貼られたままの春
24.珈琲は冷めて怯者の梅雨の闇
25.町中華日傘を開く最後尾
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26.どんぐり七つ饂飩二杯に箸三膳
27.山雀の高音竹皿のカレー
28.秋雨や渋谷の路地に鼠と吾
29.セット裏鯛焼を選るホシとデカ
30.極月の号外無傷のチャンピオン
31.吾に見えぬもの見えておる炬燵猫
32.回転寿司小さき手小さき春を取る
33.刑務所を囲む桜の仄白き
34.青光りせり750ccに花吹雪
35.故郷の苜蔔の香は農かりけり
36.密やかに鉛筆登るてんと虫
37.埼京線運転再開扇子閉づ
38.舳先より泡盛の神酒一礼す
39.二軒目へ行く汝帰る吾薄月夜
40.冬の暮子役がくれるガム硬し
41.難病や膝の外套握り締む
42.病窓は暗闇慣れぬ尿瓶凍つ
43.笊に土筆手鍋耀うバターの香
44.ぶらんこはよやくだれかのぬいぐるみ
45.二杯目の冷酒塞ぎの虫殺す
46.図書館の除菌機熟す吾子八月
47.寒暁の浅草車夫見習いの湯気
48.雪や霏々病窓に丸刈の吾
49.ゴム鉄砲頬に乾ける春の泥
50.夏旺んサンドバックの音静か
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